両手で弾いてもつられずに弾けるようになる練習法

ピアノ

よくあるお悩み

「右手のリズムにつられて、左手でも同じリズムを弾いてしまう」
「両手になると、片方の手が止まってしまう」

これは、ピアノを習い始めてしばらく経ったお子さんにとって、とてもよくあるお悩みです。
「片手ずつなら弾けるのに、両手になるとできない!」という壁に、きっと一度はぶつかることでしょう。

音楽は「音程」と「リズム」のふたつでできていますが、どうしても音程の方に意識が向きがちです。
その結果、リズムがバラバラになったり、両手で同じリズムを弾いてしまったりしてしまうのです。

でも大丈夫。これは「脳の使い方」に慣れていないだけ。
ちょっとした工夫を重ねることで、無理なく、楽しく克服していけます。

今回は、私が実際に取り入れている「リズム練習」を使った4つのステップをご紹介します。
ぜひおうちでも一緒に試してみてくださいね。

ステップ1:まずは片手ずつリズムうち

まずは、両手で混乱してしまう部分を取り出して、片手ずつリズム打ちから始めます。

たとえば、右手だけで「手拍子」や「太ももをトントン」と叩いてみましょう。
音を出さず、身体でリズムを感じることで、「音を追う」のではなく「リズムを感じ取る」ことに意識が向くようになります。

さらに、リズムや拍に言葉をつけてあげるのも効果的です。
「タン・タタタ・ター」「ターンタ・タ」「1、2、3、4……」など、言葉に出すことでリズムが整理され、覚えやすくなります。

また、歌うのが好きなお子さんには、ドレミで歌ってもらうこともあります。
歌うことで、音とリズムを一体化して記憶することができるようになります。

ステップ2:両手でリズムうち

次は、左右のリズムを同時に打ってみる練習です。
手で交互に太ももを打ちながら、それぞれのリズムを再現してみましょう。

この段階でつられるのは当然。
特につまずきやすい箇所は、何度もくり返し練習をして、リズムのパターンを身体に染み込ませていきます。

部分が安定してきたら、少し前の小節から通してリズム打ちをしてみましょう。
前後のつながりを確認することで、曲全体の流れもつかめるようになります。

ステップ3:片手演奏+片手リズムうち

ある程度リズムがつかめてきたら、片手は鍵盤を弾き、もう片方はリズムを打つことに挑戦です!

たとえば、右手で鍵盤を実際に弾きながら、左手は太ももをトントン。
このとき、左手は音を出さないので、リズムだけに意識を集中できます。

これにより、「右手=音程」「左手=リズム」と、役割を分けて意識する感覚が身についていきます。

初めてこの方法を取り入れると、「あ、今、自分の中でリズムと音が分かれて動いてる!」と実感できることが多く、
それが両手で弾けるようになるための大きな一歩となります。


ステップ4:改めて曲に戻って弾いてみる

さあ、ここまでのステップを踏んだら、もう一度、実際の曲を両手で弾いてみましょう。

「あれ?前よりもスムーズに弾ける!」
「つられずに弾けた!」
という驚きと喜びの声が、子どもたちからもよく聞かれます。

その瞬間こそが、音楽を学ぶ中でとても大切な「できた!」の達成感です。
この体験が、次へのモチベーションへとつながっていきます。


苦手は「分解」で解決できる

リズムにつられてしまうのは、子どもだけでなく、大人でも経験するごく自然なこと。
大切なのは、いきなり完璧にやろうとせず、分けて考えることです。

「片手ずつ」→「両手リズム」→「片手演奏+リズム」→「両手で弾く」
このように、段階を追って少しずつ組み立てていくことで、自然と脳と身体が「両手で別々の動き」を理解していけるようになります。

ご家庭でも、手拍子を交えながらリズム遊びの延長として取り組むことで、
「ピアノの練習って楽しい!」という気持ちを育てることができます。

苦手の先には、できる喜びが待っています。
一歩ずつ、一緒に乗り越えていきましょう!

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