はじめに
「うちの子は人と違うから、中学受験なんて難しいのでは…」
そんな不安を抱える保護者の方は少なくありません。
確かに、発達障害のある子どもたちは、一般的な学習スタイルや集団生活のペースに合いづらい場面が多く、「どうしてできないの?」と誤解されることもあります。
だからこそ、その子に合った環境を選べる中学受験は、大きなチャンスになりうるのです。
この記事では、発達障害のある子どもが中学受験をすることで得られる3つのメリットをご紹介します。
配慮を受けやすい環境を自分で選べる
発達障害のある子は、「環境に左右されやすい」という特性を持っています。つまり、合う場所ではのびのびと力を発揮できるのに、合わない場所では極端に苦しむことがあるのです。
だからこそ、家庭や学校が「環境選び」に慎重になることはとても大切です。特に中学という多感な時期を迎えるにあたって、その子の特性に合った育ちやすい場所を見つけてあげることは、心と学力の発達の両面で大きな意味を持ちます。
公立中学は基本的に「一律の学び」が前提。支援が必要な子にも、「全員と同じことを、同じペースで、同じ方法で」という指導になりがちです。
一方で、私立・中高一貫校の中には、発達特性に理解があり、柔軟な対応ができる学校も多く存在します。環境を、自分で選べるということが中学受験の大きな価値のひとつです。
ただし注意が必要なのは、すべての私立中学が発達特性に理解があるわけではないということです。
特に「偏差値重視」の進学校の中には、「学力優先・自主性重視」の校風が強く、サポート体制が整っていなかったり、配慮が受けにくかったりする場合もあります。
そのため、偏差値だけで学校を選ばず、文化祭・説明会・過去の指導事例などを通じて、その子に合うかをしっかり見極めることが大切です。
自尊心が回復しやすい環境が手に入る
発達障害のある子どもたちは、小学校生活の中で「できない」「落ち着きがない」「空気が読めない」と言われたり、周囲と比べられたりして、本来の力を発揮する前に「自分はダメなんだ」と感じてしまうことが少なくありません。
叱られる経験の多さや、周囲からの誤解によって、自己肯定感が著しく下がってしまうケースもよく見られます。
しかし、自分の特性に合った校風の学校に進学することで、一気に表情が明るくなる子も少なくありません。
進学校や探究型の学校には、「ちょっと変わった天才肌の子」や「独特な視点を持つ子」が当たり前に存在しています。
そのため、発達特性のある子どもがいたとしても、「この子も個性のひとつだよね」と自然に受け入れられる空気感があるのです。
また、多様性を尊重するという校風の学校もあり、のびのびとした成長を促すこともできます。
そのような学校では、先生やクラスメイトが、特性についても「個性があっていい」という姿勢で接してくれることで、いじめ・孤立の可能性も減ります。
そして何より、自分の力で合格したという事実そのものが、大きな自信になるのです。
入学後も「ここでならやっていける」という安心感が、心の安定につながります。
中高一貫で「時間」があるから、得意を伸ばせる
発達特性のある子は、「苦手は苦手なまま」「得意は極端に得意」という凸凹を持っています。
この「得意の部分」をどれだけ伸ばしてあげられるかが、子どもが自己肯定感を持って社会に出る上で、大きな鍵となります。
社会生活は苦手でも、既存の評価軸では見えにくい才能を持っている子どももいます。
学校ではその得意を認められず、「変わった子」と扱われてしまうことも多いですが、社会に出れば希少なスキルとして高く評価される可能性もあります。
だからこそ、子どもの「好き」「得意」を、評価されないうちから潰すのではなく、伸ばしてあげられる時間と環境が必要なのです。
中学受験を経て中高一貫校に進学すれば、高校受験がない6年間を活用して、得意分野にじっくり取り組む時間的余裕が生まれます。
また、中高一貫校にはいろいろなものに触れる環境があるので、新たな得意も見つけやすいです。
中学受験は今の学力を試すものではなく、将来の居場所を先に手に入れるチャンスともいえます。
おわりに:環境を選べることが中学受験のメリット
中学受験は大学受験で成功するためだけのものではありません。
むしろ、中学受験のメリットは、校風や教育理念による一貫した指導を6年間受けられることにあります。
発達障害の子は合う環境が少ないかもしれません。うちの子はどこにもなじめないのでは?と不安になることもあるでしょう。
でも、合う場所は必ずあります。
それを早期に選べるのが、中学受験なのです。
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